家系から受け継がれる負の出来事を「一族のトラウマ」と形容するわけですが、実はこれ、細胞記憶が関係しています。
私たちは、日々暮らしている中で、楽しいこと、驚くこと、憤慨すること、悲しいことなど、様々な体験をしますよね。
それらは、脳内にインプットされるだけでなく、細胞にも記憶されます。
だからこそ、トラウマに遭遇した時、脳内だけでなく全身の毛穴が開くような感覚を受けるのでしょう。
さらに不思議なことに、あなたの生まれる前から伝わる遺伝的な内容までもが、細胞に集約されているといわれています。
今回は、一族のトラウマの生まれるメカニズムについて解説します。
小説や映画のテーマでも取り上げられる細胞記憶。
「臓器移植をした人にドナーの意思が宿る」という例が主流ですが、実際にこうした出来事は起こっています。
先祖の遺伝的影響を受けて、志や趣味・嗜好が似てくるのも、細胞記憶が深く関係する例の1つですね。
個人のトラウマが家系によるものとされる説にも、同じことが言えます。
私たち人間には、必ず「生みの親」が存在します。
一族のトラウマの出所は、常に両親であるということですね。
この世に誕生するその日からDNA細胞に残る記憶を受け継ぎ、それが後々にトラウマとしてあらわれる。
言い様のない恐怖感に怯え、「トラウマになりそう」と感じるのは、目に見えない一族のトラウマが関係しているからなのです。
両親から受け継いだDNA細胞は、私たちの体内で生き続けています。
「一族のトラウマ」といっても、パッとイメージが湧かない人もいるでしょう。
平たく言えば、DNA細胞が関係しており、悪い意味での遺伝的特徴があらわれることですが、その例は多岐にわたります。
「先祖代々ガンで亡くなる人の多い家系」であったり、かかりやすい病気が共通しているなどという遺伝的要素が、一族のトラウマとなります。
また、金銭面・性格面などに共通するマイナス要素も然り。
細胞記憶によって植え付けられた一族のトラウマは、簡単には拭えません。
「自分もいずれ同じ目に遭うのではないか」という恐怖心や焦燥感と闘い続けている人は、少なくないのです。
トラウマとは、一族の事情を含めて過去の出来事です。
それらが現実になることをイメージすればするほど、恐怖心が強くなりますね。
こうしたネガティブな感情は、自己啓発に取り組む上でも大変な障害です。
誰もが、このようなトラウマから解放されたいと望んでいることでしょう。
とはいえ、簡単に克服することは不可能。
脳内だけでなく細胞にまでインプットされた記憶は、少々のことでは払拭できません。
肝心なのは、無理やりプラス思考に転換しようとしないことです。
「トラウマなんてないのだから、囚われないで生きればいい」と説く人もいますが、それでは根本的な解決には至りません。
ありきたりなトラウマ解消説として、「気にしないようにする」「忘れる努力をする」というようないい加減な教えが挙げられますが、これは間違いです。
荒療法どころか、むしろトラウマを強めてしまうこともあり、逆効果。
気休めの言葉ではなく、根拠ある心理学の観点からアプローチすることで、真の意味でのトラウマ解消になるはずです。
ゆっくりと着実に恐怖心を取り除けるようにすることが先決。
血筋の関係するトラウマは、ほかの心的外傷に比べて厄介です。
恐怖心のもととなる歴史が長いため、簡単に解放されることはありません。
それならいっそ、ありのままの自分を受け容れませんか。
「恐い」と感じている自分でも、これから先の人生において幸せになれる。
そんなふうに思えるようになるまで、徹底的にその感情と向き合いましょう。
True Doorsでは、そのために必要な心理学的知識について大いにシェアしていきます。
一族のトラウマに悩まされているあなたに必要なのは、心の状態を知ること。
「時間が経てば心的外傷も癒えるだろう」と我慢するのではなく、これ以上精神を病まないための術を活用するのが大切です。
たった1人でトラウマを抱えたまま生きるより、多くの仲間と一緒に幸せになるための心得を学び、共有していくほうが効率的です。
それだけでなく、あなたの理解者となる誰かがいるだけでも、トラウマを乗り越える上で心強いはずです。
TrueDoorsとは・・・1)True Doors概要2)言葉の力3)脳の特徴4)阿頼耶識・輪廻転生6)心とは7)思い込み(投影)8)自己肯定感9)私たちを構成するもの10)網様体賦活系(RAS)/認知的焦点化11)思考は現実化する12)原因と結果の法則13)この世界を紐解く